半分あきらめて生きる #内田樹
少し前の記事だけど、お気に入りのポストの一つです。
現代社会のデファクトスタンダードなシステムは急速に崩壊に向かっているように感じられる。それがいつ、どこで、どのように崩壊するかは分からない。
でも、日々のニュースや社会情勢から判断すると、誰もが少なからず直感的に感じているはずだ。
人間には直感というものが備わっていて、論理的な解釈や、数値、KPIといったロジカルな分析をショートカットしても何故か真理に到達できる能力がある。
そして、自分がどの分野でそれを発揮できるかは、自己決定することができない。
それはネイティブに身体と魂に刻み込まれているように思う。
だから「半分あきらめて」生きる必要がある。
半分あきらめて、苦手な部分はそれが得意な他者に任せた方がいい。ネイティブな傾向には抗えないだろうし、「その通り」に生きた方が重要な局面でパフォーマンスが発揮できる。
こうして自然と多様性と柔軟性が社会に生まれるのだろう。こうして生まれる多様性が、瓦解したシステムを立て直す時に不可欠なものになる。
不可欠な才を持った人は現代社会では「ぱっとしない」ように見える。それでもその「ぱっとしない」人たちは、遠い眼をして物思いに耽っている。
#内田樹